EAを動かしたのに注文が通らない。逆に約定した価格を見て、『設定を広げすぎたのでは』と不安になる。MT5のスリッページ設定は、狭ければ安全、広ければ約定しやすいと片づけると判断を誤ります。
あなたが決めるべきなのは、利益が出そうな数字ではありません。使うEAの標準値を起点に、口座の銘柄仕様と実際の約定ログを照らし合わせ、許容できる価格差を決めます。この記事では、その見方をGEAR 71の設定例とともに整理します。
MT5 EAのスリッページ設定は注文価格の許容差です#
スリッページは、EAが注文を出すときに想定した価格と、ブローカーが約定できる価格との差です。価格は動き続けるため、注文を送ってから処理されるまでに差が生じることがあります。
MT5 EAの「許容スリッページ」は、その差をどこまで受け入れるかをpointsで指定する項目です。設定を広げても、価格変動が小さくなるわけではありません。EAが受け入れる範囲が広がります。狭くすれば有利な価格だけで約定する、とも限りません。条件から外れた注文を成立させない扱いになることがあるためです。
pointsを金額や値幅へ読み替える際は、MT5で対象銘柄の桁数と最小価格単位を確認してください。同じ表示名でも、ブローカーの銘柄仕様や注文方式によって設定の効き方が変わります。スプレッドも別物です。スプレッドは売値と買値の差、スリッページは注文時の想定価格と約定価格の差として分けて確認します。
狭すぎる設定と広すぎる設定には別の損失要因があります#
許容幅が狭すぎると、相場が速い場面で注文が成立しにくくなる可能性があります。EAが狙った取引を逃せば、バックテストと実運用の取引列がずれます。エントリーだけでなく決済の成立にも差が出れば、想定した保有時間や損失管理と実際の動きが合わなくなるおそれがあります。
許容幅が広すぎる場合は、EAが想定した位置から離れた価格を受け入れやすくなります。約定価格がずれると、損切りまでの距離や一回の取引で負う金額も想定からずれることがあります。
だから、注文が通らないという理由だけで数値を上げるのは危険です。原因がスプレッドの拡大、通信状態、証拠金、銘柄仕様にあるなら、スリッページを広げても問題の切り分けになりません。確認せずに実口座へ移すと、見送るべき注文を受け入れたり、必要な注文を逃したりする差を資金で負うことになります。
GEAR 71では標準の30 pointsから確認します#
GEAR 71の許容スリッページ標準値は30 pointsです。これはGOLD M15専用の同EAが注文時に使う許容価格差であり、利益や約定を保証する数字ではありません。あなたの環境でも同じ金額差になるとは限らないため、pointsのまま理解を止めず、対象口座のGOLD仕様とログを見ます。
運用開始時は標準値を維持し、他EAや手動ポジションがない専用のデモ口座で動かしてください。注文時刻、要求価格、約定価格、エラー、スプレッドを並べると、設定値の問題なのか、口座環境の問題なのかを切り分けやすくなります。GEAR 71は注文前にスプレッドや証拠金も確認するため、一度の未約定だけを見てスリッページが原因だと決めつけないことが大切です。
設定画面と運用条件を照らし合わせるなら、GEAR 71の条件を数字で確かめるから製品仕様を確認できます。
設定変更はデモ口座のログを根拠に判断します#
次の表は、設定を変える前の判断基準です。感覚ではなく、同じ口座環境で記録した事実に沿って進めてください。
| デモ口座で見えた状態 | 判断 | あなたが行う確認 |
|---|---|---|
| 注文と決済が成立し、価格差も許容できる | 標準値を維持する | ログと取引履歴を保存する |
| 注文拒否や未約定が続く | 数値を上げる前に原因を分ける | エラー、スプレッド、通信、証拠金、銘柄仕様を見る |
| 想定価格から離れた約定が目立つ | 許容幅を広げない | 時刻と相場急変、注文方式を照合する |
| デモと実口座で挙動が違う | 実口座への投入を急がない | 両口座の仕様と約定条件を比較する |
そのままコピーして使える確認リストです。
- [ ] MT5の銘柄名がGOLDになっている
- [ ] GOLD M15チャートへEAを適用した
- [ ] 許容スリッページを標準値から始めた
- [ ] 専用のデモ口座で注文と決済を確認した
- [ ] 要求価格と約定価格を取引履歴で比較した
- [ ] エラーとスプレッドを同じ時刻で確認した
- [ ] 数値を変えた理由と変更後の結果を記録した
- [ ] 実口座では最小ロットから始める
変更する場合は、一度に複数の項目を動かさないでください。どの変更が約定へ影響したのか分からなくなるからです。記録を残せば、設定を戻す判断もできます。
よくある質問#
MT5 EAのスリッページは小さいほど安全ですか?#
小さいほど安全とはいえません。許容幅を狭めると、価格が速く動く場面で注文が成立しにくくなる可能性があります。約定価格の差と未約定の両方をデモ口座で確認してください。
pointsとpipsは同じですか?#
同じものとして固定換算しないでください。pointsはMT5上の最小価格単位を基準にするため、対象銘柄の桁数と仕様を確認して読み替えます。
注文が通らないときは許容スリッページを広げればよいですか?#
先にログを確認します。スプレッド、通信、証拠金、銘柄仕様など、別の原因なら許容幅の変更では解決しません。
GEAR 71の設定は最初から変更してよいですか?#
標準パラメータのまま専用デモ口座で稼働を確認するのが出発点です。実口座へ移す前に、注文拒否、ログ、保有状況を見てください。判断材料がそろったら、GEAR 71の運用条件を見てから決めるで対象銘柄や口座条件も再確認できます。